冥王代生命学の創成
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研究領域

A06班: 冥王代生命学の創成公募班

冥王代生命学の創成公募班では、冥王代地球(A01)、冥王代化学進化(A02)、冥王代類似環境微生物(A03)、ポスト冥王代(A04)、生命惑星(A05)の5つの計画研究項目を横断する斬新かつ挑戦的な研究を行います。


RNA進化を可能にする冥王代の細胞構造の探索
(市橋 伯一・大阪大学)
本研究では、冥王代に存在した間欠泉とそこから噴霧される微小水滴がRNA進化を可能にした原始の細胞構造ではないかという仮説を実験的に検証します。

エネルギー保存システムの分子進化で辿る原始生命の機能解明
(成廣 隆・産業技術総合研究所)
物質代謝の過程で熱力学的にエネルギーを必要とする化学反応の進行を支えるエネルギー保存システムの系統解析を実施してその分子進化を辿り、冥王代に誕生したと考えられる原始生命が確立した最初のエネルギー保存システムを推定することに挑戦する。

原始生命におけるエネルギー通貨産生システムの再現
(千葉 洋子・海洋研究開発機構)
生命の誕生に必須であったと考えられる高エネルギーリン酸化合物を供給する原始代謝システムを、実験的に再現することに挑戦する。

冥王代における高分子濃度シナリオの検証
(藤原 慶・慶應義塾大学)
生命を構成する細胞の中身(抽出液)を取り出すと、DNAからタンパク質を生み出す転写翻訳過程を試験管で再現できる。しかし、このとき抽出液を細胞内並みに濃くしても、希釈しすぎても著しく活性が低下する。では、冥王代の生命発生時における高分子濃度はどのようなものだったのだろうか?本研究ではこの問いに実験的に迫りたい。

アミノアシルtRNA合成酵素の分子系統解析に基づく遺伝暗号進化経路の推定
(横堀 伸一・東京薬科大学)
アミノアシルtRNA合成酵素の分子系統解析に基づいて、現在の生物が使用している遺伝暗号表の成立過程の推定を行います。

未知光合成生物の単離による始原的光エネルギー代謝系の解明
(塚谷 祐介・海洋研究開発機構)
既知の光合成生物よりも始原的あるいは進化上過渡的な光合成様式を残す微生物を単離してその光合成器官・色素分子を解明することで、古地球表層環境の光条件を推定する。

化学進化を促進する原始金属酵素の探求
(藤枝 伸宇・大阪府立大学)
ペプチドが本質的にもっている配位能および自己集積能に着目し、金属クラスターや金属粒子の保持能、その触媒活性における機能解明から冥王代生命の形状や機能にアプローチする。

初期地球環境に相対的に多く存在したアミノ酸種を用いた原始的タンパク質の構築(赤沼 哲史・早稲田大学)
原始の地球環境に比較的豊富に存在したと推定されているアミノ酸種を主成分としたタンパク質の再構成を試みる。この研究を通じて、地球上に最初に誕生した原始タンパク質のありうる姿を予想する。

初期地球解読に向けた陸上蛇紋岩温泉の炭素循環研究
(須田 好・産業技術総合研究所)
蛇紋岩を母岩とする温泉環境を冥王代類似環境と想定し、地球化学的な観測から炭素の循環を明らかにする。