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A06班: 冥王代生命学の創成公募班

アミノアシルtRNA合成酵素の分子系統解析に基づく遺伝暗号進化経路の推定
(横堀 伸一・東京薬科大学)

 現存する生物は標準遺伝暗号ないしはそこから派生した遺伝暗号表を用い(Watanabe & Yokobori 2011; 2014)、現存する全生物が単一起原であるとする重要な根拠である。化学進化におけるアミノ酸の非生物的合成、アミノ酸生合成経路の進化、コドンを認識して対応するアミノ酸を運搬するtRNAの多様化、そしてアミノ酸とtRNAの対応を決定するアミノアシルtRNA合成酵素(ARS)の多様化、などの要素が密接に関連しながら、標準遺伝暗号表は成立してきたと考えられる。これらの要素の中で、ARSは分子系統解析を行うことができ、直接的に進化過程を追うことができる。

 ARSは、配列や立体構造の異なる2つのグループ(Class IとClass II)に分類される(Eriani et al. 1990)。各々のclassの触媒ドメインは、各々のClassで共通の祖先タンパク質に由来したと考えられる。また、各々のclassのARSは3つのsubclassに分類される(Ribas de Pouplana & Schimmel 2001)。原始翻訳系の成立から現在の標準遺伝暗号表の過程で、もともと極少数のARSが現在の様に20種のアミノ酸に対応するARSが出現するまでに、多様化と基質(アミノ酸とtRNA)の認識の精密化が進んできた、と考えられる。私達は、subclassごと、classごとにARSの分子系統解析を進める。これらの解析に基づいて、どのような歴史を経て、現在の標準遺伝暗号表とアミノ酸レパートリーが確立したのかを推定することを目的とする。

 上記の様な分子系統解析の過程で、重要な進化のポイントでの祖先ARSについては、配列の復元を行い、その機能を明らかにすることを目標とする。これによって、上記分子系統解析の解釈の妥当性を検証する。