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A06班: 冥王代生命学の創成公募班

冥王代極限環境下での化学進化から原始生命に至るシミュレーション実験研究
(川村 邦男・広島修道大学)

 本研究では、化学進化によって生成したRNAおよびペプチドが、冥王代の環境下でどのようにして原始リボザイムや原始タンパク質の生化学機能を獲得したのか、その過程を解明することを目的とする。
 ヌクレオチドやアミノ酸から中〜長鎖のRNAおよびペプチドが生成し、生体機能を発現するに至った化学進化の舞台は、熱水と鉱物がダイナミックに相互作用する極限環境であった。しかし、従来の化学新実験やリボザイムのin vitro selection条件は冥王代の環境とはほど遠い。すなわち冥王代環境を正確にシミュレーションし解析するための実験手法が必要である。我々は、熱水中で化学進化反応を精密に追跡する一連の熱水フローリアクター技術を世界に先駆けて開発し、400℃、50MPaまでの熱水中で2ミリ秒〜200秒の時間範囲で化学反応を鉱物共存下で追跡・解析する手法を確立した。これらの手法を駆使して、(1)高効率のペプチド生成反応と炭酸塩鉱物による触媒作用の発見、(2)RNAおよびタンパク質の結合安定性および高次構造安定性の解析、(3)中〜高温下での原始RNA生成反応の解析に成功した。これらの証拠から、RNAおよびオリゴペプチドは、適切な鉱物が存在すれば冥王代の過酷な環境で生成し蓄積したと推定される。本研究ではこれを実験的に検証するために、(A)粘土鉱物などが共存する熱水系を速度解析できる新型フローリアクターの製作、(B)原始リボザイムモデルの生化学機能および鉱物効果の解明、(C)生化学機能が発現し得た環境限界の解明、を2年間で行う。